長鼻類団研から団研を思う                東京支部 小澤幸重

青木さんの団研「優位論」に関する意見、藤田さんの会での小林さんの長鼻類団研の話(井尻さんの総括?後述)に遭遇し、長鼻類団研の一人として(実情は一人組の組長ならぬ一人団研???)筆を取りました。私は長鼻類団研で育ち(井尻さんの指導を受け、井尻さんの紹介で仕事を得て)、学位を取り、今日に至っている(と思っている)感想です。

井尻さんは長鼻類団研(専門家の団研)について、成果に対する共同の観察検討等の不足?との総括を事務局の勉強会で述べられたとのことです。私はちょっと違った見方をしています。
 
 原因の一つとしては人間の問題(テーマの理解と人間性)もあったと感じています。テーマですが、結晶や貝の石灰化の専門家で専門技術を持つとはいえ、長鼻類の歯のミクロを理解し、興味を持って仕事を進めるには大変なようです。たとえ専門技術を持っていても、専門外の分野の細胞学や組織学、発生や解剖学を理解するのは大変なよう見受けました。私は、ゾウの歯のミクロの構造を理解するために、約
150種類の他の動物の歯のミクロ、発生と解剖等々の仕事をして30年間があっという間に(面白く)過ぎてしまいました。この仕事の一部が「歯の比較組織ノート」です。

 そして、人間性です。陰で色々言う、悪いことを庇い合うなどが無く、相手を徹底的に信頼し議論できることが大切かと思います。それでもぼちぼち長鼻類の仕事をして、気がつけば一人です。今は、フランス、チェコ、韓国、日本の友人・後輩と、研究のデータベースを共有し、誰かの一人の発想でも大切にして、集中してその研究をする、という試みをしています。この中で後輩が育つことを切に願っています。これが団研だとは言いませんが(密かに、みたいなものだと思ってくれるととても嬉しいと思っています)。

 さて一方で、日本の第解剖学者、万年甫先生のようにこつこつ40年間脳の神経細胞を図にプロットするというとてつもなく凄い仕事もあります(丈一畳はおおげさでも、岩波から出版された図集は二人で持ち運びするものです)。井尻さんに言わせれば面白くもない仕事、かもしれません。呵呵! しかし誰もがこの仕事ができるものではありませんよね。そしえ、今、大学が崩壊し、研究者が裸になる時代です。団研も色々あって良いし、自分にあったスタイルで研究することだ、と感じています。私のような他の分野(解剖学)の人間からみると、地団研は優れた団研をしたとても凄い先輩が沢山いる、というのが最大の財産とおもえます。如何でしょう。

 

そくほう